M&A業界に向いている人は?成功しやすい人の5つの特徴と適性チェック

近年、企業の後継者不足や事業承継問題を背景に、M&A(Mergers and Acquisitions)市場が急拡大しています。日本では年間M&A件数が4,000件を超え、ますます盛り上がりを見せるこの業界は、「高収入を得られる」だけでなく「企業の存続や成長をサポートする」社会的な意義も備えたフィールドとして注目されています。

しかしながら、「自分はM&A業界に向いている人なのか」「専門知識なしで飛び込めるのか」と不安を感じる方も多いでしょう。

本記事では、M&A業界で活躍しやすい5つの特徴を深掘りするとともに、転職成功のための準備やエージェント活用のメリットも解説します。まずは簡単な適性チェックから始めてみて、あなたの可能性を探ってみてください。

この記事の著者

転職エージェント

M&A JOB BOARD 小松﨑 資

こまつざき たすく

プロフィール

中央大学法学部を卒業後、株式会社コーセーに新卒入社。法人営業及び本部窓口営業に従事。販売戦略の策定やステークホルダーとの関係構築を得意とし、在籍約3年間で営業成績で上位4%に入る成果を上げる。当社へ転職後、士業求人サイト「LEGAL JOB BOARD」でトップセールスを記録したのち、M&A業界に特化した転職サービス「M&A JOB BOARD」の立ち上げにに従事。現在は、M&Aキャリア開発事業部のエージェントとして、潜在的なニーズを引き出すヒアリング力と「想像以上のキャリア提案」を武器に、担当会員様からの高い満足度を誇る。

1. M&A業界の概要と成長性

1-1. M&A業界とは?

M&Aとは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略称です。企業同士が統合したり、一方が他方を買収したりする取引全般を指し、事業承継(後継者問題の解決)、新規事業への参入や技術獲得など、さまざまな目的で行われます。

企業がM&Aを行う目的
  • 後継者がいない中小企業を救う「事業承継M&A」
  • 大手企業同士の再編や統合による事業拡大
  • ベンチャー企業の買収によるイノベーション獲得
M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

これまでの私の支援経験でも「本当は廃業しか道がなかった」という地方企業がM&Aによって大企業の傘下に入り、従業員の雇用を守れたケースを多く見てきました。社会にとってもプラスのインパクトが大きいのがM&Aの特徴です。

1-2. 市場の現状と今後の展望

2021年の日本国内M&A件数は4,280件、2022年は4,304件と2年連続で過去最多を更新するなど、市場は拡大を続けています。特に中小企業の後継者不足が深刻化しており、事業承継を目的としたM&A需要が高まる一方、大手企業や外資系ファンドによる買収も活発化しています。

市場環境
  • 2025年までに70歳以上となる経営者が全体の3割超
  • そのうち約127万社が後継者未定とも言われる
  • 事業承継の手段としてM&Aを選択するケース増加

M&Aニーズの増大に対し、M&Aアドバイザーやコンサルタントの供給は追いついていないのが現状です。人材不足が顕著なため、未経験者にも門戸が開かれている状況といえます。

1-3. M&A業界で働くメリット

大きく3つのメリットがあります。

メリット
  • 高収入のチャンス:インセンティブ制度が充実しており、20代~30代で年収1,000万円以上も珍しくない。
  • スキルアップ:経営者との交渉・財務分析・法務知識など多面的な能力を短期間で習得可能。
  • 社会貢献:事業承継M&Aなどを通じて企業を存続させ、地域経済や雇用を守るやりがいがある。
M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

高収入かつ社会的に意義のある仕事を探しているなら、M&A業界は非常に魅力的だと思います。 私が出会った若手のアドバイザーも「やりがい」と「収入」が比例する点に惹かれて転職を決めたという声が多いですね。

2. M&A業界に向いている人の5つの特徴

ここでは、M&A業界で成功しやすい“資質”として、代表的な5つのポイントを挙げます。自分自身に当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。

2-1. コミュニケーション能力が高い

M&Aアドバイザーは経営者や投資家と直接交渉し、双方のニーズを引き出して合意を目指します。初対面でも堂々と話を展開できる「度胸」や、相手を尊重しつつ論理的に説明する「折衝力」が必要です。

POINT
  • 企業トップ層と臆せず会話をリードできる
  • 相手のニーズを的確にくみ取るヒアリング力
  • 説得・交渉が得意
M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

トップアドバイザーは、とにかく話し上手というよりも「相手を安心させ、信頼関係を築くのが上手」という印象です。相手が社長であってもフラットに接し、重要情報を引き出すスキルが求められます。

2-2. 論理的思考力・分析力がある

企業価値の算定(バリュエーション)やリスク評価など、データやファクトに基づいた分析が求められるのがM&Aの世界です。感覚ではなく、論理的に筋道を立てて考えられる人ほど成果を出しやすいでしょう。

POINT
  • 財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)が読める
  • 問題点を客観的に抽出し、解決策を示せる
  • 交渉戦略でも相手の背景や数値根拠を踏まえて臨機応変に対応

2-3. 財務・法務への関心と学習意欲

M&Aには財務・会計・税務・法務が密接に関わるため、ある程度の基礎知識が必要です。必須資格こそないものの、「知らないことを積極的に学ぶ姿勢」が大切。

POINT
  • 簿記2級レベルの会計知識があると望ましい
  • 契約書や税制優遇など法務・税務情報をキャッチアップできる
  • 専門家(弁護士・会計士等)との連携に抵抗がない

2-4. 高収入を目指したい野心がある

インセンティブ型の給与体系が多いM&A業界では、「もっと稼ぎたい」「成果を正当に評価してほしい」というモチベーションが強い人が大きく成長しやすいです。

POINT
  • 20代で年収1,000万円超を狙いたい
  • 30代前半で大台に乗せたい
  • 仕事量やプレッシャーに見合った報酬を得たい
M&A JOB MAGAZINE 編集部
M&A JOB MAGAZINE 編集部

やはりお金がモチベーションになる側面は大きいですね。実力主義志向が強い人ほどM&A業界を楽しめるのは間違いないでしょう。

2-5. ハードワークをいとわず成長したい

M&Aはクロージング前にハードワークになりがちです。複数のステークホルダーとの調整や、夜遅くまでの交渉も発生します。ただ、そうした修羅場が「成長の糧」になると考えられる方には絶好の環境です。

POINT
  • 忙しいスケジュールでも学ぶ意欲を失わない
  • プレッシャーを原動力にできる
  • 1件の成約で得られる達成感が大きい

3. 適性チェックリストとよくある疑問

3-1. 適性チェックリスト

次の項目で「はい」が多いほど、あなたは「M&A業界に向いている人」と言えるでしょう。

適正チェックリスト

  • 初対面の経営者とも臆せずコミュニケーションできる
  • 論理的に考えるのが得意、数字を使って説明するのが好き
  • 財務や法務に興味があり、新しい知識を積極的に習得したい
  • 20代・30代で年収1,000万円以上を狙いたい
  • 忙しくても「成長の糧」として前向きに取り組める
チェック結果
  • 4つ以上当てはまる:M&A業界との親和性が高いかもしれません。転職を積極的に検討してみましょう。
  • 2~3つ当てはまる:適性を活かせる部分がある一方、学ぶべき領域もまだまだありそうです。興味があるなら、まずは情報収集や基礎知識の習得から始めると良いでしょう。
  • 1つ以下:M&Aに対して不安が強いかもしれません。ただし、実際の業務経験や勉強を積むうちに面白さに気づく例も多いので、まずは基礎を学んだ上でじっくり検討してみる価値はあります。
M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

もし4~5項目当てはまるなら、かなり高い適性があるといえるでしょう。2~3項目でも十分に可能性があります。

3-2. よくある疑問:Q&A

Q1. 未経験でも大丈夫?

A. はい。昨今の人材不足から、金融経験やコンサル出身でなくてもポテンシャル重視の採用を行う企業が増えています。

Q2. 資格は必要?

A. 公認会計士や税理士資格があればもちろん強いですが、必須ではありません。簿記2級やファイナンシャルプランナー(FP)なども評価されやすいです。

Q3. ワークライフバランスは取れる?

A. 案件の進捗次第で忙しさは変動しますが、最近はテクノロジー導入や分業化を進める企業も増え、働きやすい環境を整備する傾向にあります。会社選びの際に確認することが大切です。

4. M&A業界の仕事内容・キャリアパス

4-1. M&Aアドバイザーの主な業務

M&Aアドバイザーは、企業の買収・売却を仲介し、交渉や条件設定をサポートする専門家です。具体的には以下の流れで案件を進めます。

案件開拓

経営者にアプローチし、事業承継や拡大意欲をヒアリング

企業価値の算定

財務分析や業界調査を行い、客観的な企業価値を提示

マッチング

売り手と買い手の条件をすり合わせ、両社のニーズが合致するか見極め

交渉・デューデリジェンス

契約条件、リスク評価などを専門家と連携しながら詰める

クロージング

最終合意に至り、M&A成立

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

案件は数ヶ月〜1年以上かけて進むことも珍しくなく、途中で頓挫するケースもあります。その分、クロージングしたときの達成感は格別です。

4-2. キャリアパスと年収イメージ

M&Aアドバイザーとして結果を出すと、比較的若い年次でも大幅に年収が上がることがあります。大まかな目安としては以下の通りです。

職位・役職年次目安年収目安(インセンティブ含む)
アソシエイト1~3年目500~800万円
シニアアソシエイト/副主任4~5年目800~1,200万円
マネージャー5~8年目1,200~2,000万円
シニアマネージャー/役員8年目以降2,000万円~青天井

また、経験を積んだ後は事業会社のM&A担当や経営企画部門に転身する、あるいは独立してM&Aコンサルタントとして活動する人も珍しくありません。

4-3. 他キャリアへの展開

M&A業界で培った交渉力、財務・会計・法務の知識、経営者視点での問題解決スキルは、あらゆるビジネスシーンで重宝されます。

そのため、M&Aアドバイザーを数年経験した後、以下のような他キャリアに進む人も多く見られます。

その後のキャリア
  • 事業会社の経営企画
    M&Aで培った「企業価値の見極め方」や「資金調達」「投資判断」などのスキルを活かしながら、企業の成長戦略に直結するプロジェクトを主導する役割です。経営者と近い立場で新規事業の立案やアライアンス推進を行うため、戦略思考力や社内外調整力もさらに磨かれます。
  • CFO(最高財務責任者)
    財務分析や資本政策に関する経験を活かして、企業の財務戦略を統括するポジションです。M&Aの知見があるCFOは、買収や出資などの大胆な投資判断を下す際に大きく貢献できます。資金調達や財務管理のプロとして、経営層と対等に議論できる点が魅力です。
  • 独立系コンサルタント
    自身でコンサルティングファームを立ち上げたり、フリーのM&Aアドバイザーとして活動する道もあります。人脈と実績があれば、企業オーナーや投資家と直接契約を結び、高額なコンサル料を得られるケースも。拘束時間は長くなりやすいものの、報酬面や自由度で大きなメリットがあります。
M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

いずれのキャリアでも、「経営トップ層と対等に話ができる」「財務・法務の多角的知識がある」人材は重宝されます。M&Aの経験は汎用性が高く、将来的に起業を目指す方にとっても大きな武器になるでしょう。

5. M&A業界で高年収を実現するポイント

5-1. 成果主義の仕組みを理解する

M&A業界の報酬形態は、基本給+成果報酬(インセンティブ)というスタイルが主流です。担当案件がクロージングすれば、大型のボーナスを手にするチャンスがあります。

高額案件を複数成約すれば一気に収入が跳ね上がる

ただし成果が出ない期間は給与が抑えめになるリスクもある

5-2. スキルアップを継続する

M&Aアドバイザーとして活躍するには、常に学習を続ける姿勢が不可欠です。とくに強化したいのは以下の領域。

強化したいスキル
  • 財務会計:簿記や会計士資格、公認会計士試験の一部科目など
  • 法務・税務:企業法務の基礎、税制優遇策や独占禁止法の知識
  • 語学力:クロスボーダーM&Aで英語力があれば案件の幅が広がる

5-3. 職場環境を見極める

高収入を実現するうえでは、会社の体制や仕組みも重要です。

POINT
  • 分業制やアシスタント制を導入しており、アドバイザーが交渉業務に集中できるか
  • テクノロジー(AI、データ分析ツール等)の活用による効率化の取り組み
  • チームワーク重視か、個人プレーが主体か

6. 転職を成功させるための準備とエージェント活用

6-1. 必須スキルと資格を整理する

スキル・資格重要度ポイント
法人営業経験(折衝) 経営者の懐に入るコミュニケーションが取れるか?
分析力・論理思考 企業価値評価や戦略立案で必須
財務・会計知識(簿記2級など) 企業の収益性や財政状況を正しく把握
法務・税務基礎 契約書や法律面でのリスク管理
語学力(英語など) クロスボーダー案件増加中
M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

実際に転職面接では、「過去の営業経験でどんな結果を出したか」「提案や交渉の際にどんな工夫をしたか」がよく問われます。異業種出身でも、営業・コンサル・エンジニアなど、何かしらM&Aにつながる経験があればアピール可能です。

6-2. 転職エージェントを活用するメリット

M&A業界の転職は専門性が高いため、業界に特化した転職エージェントを利用するのが成功への近道です。

例えば、エムアンドエージョブボードのようなサービスには以下のメリットがあります。

メリット
  • 非公開求人・独占求人:大手仲介会社や外資系投資銀行の案件など一般には出回らない求人情報が豊富。
  • キャリアアドバイザーが業界出身:書類添削や面接対策で的確なアドバイスを得られる。
  • 年収交渉・条件調整の代行:希望をプロに伝えてもらうことで、スムーズに入社まで進める。
  • 入社後のフォローアップ:初めてのM&A業界でも安心してスタートできる。

6-3. MAJBならではのサポート

MAJB(エムアンドエージョブボード)はM&A業界専門の求人サイトで、業界最大級の求人数を誇ります。

M&Aアドバイザーとしての求人はもちろん、事業会社のM&A部門地方銀行のM&A関連部署など、多彩なポジションをラインナップ。以下の点も強みです。

エムアンドエージョブボードの強み
  • マンツーマン面接対策:応募企業ごとの想定質問と的確なフィードバック
  • 経営者クラスとの太いパイプ:応募者のポテンシャルを直接推薦してもらえる
  • アフターフォローが充実:入社後のキャリア相談も継続して対応

まずは、MAJBの求人一覧ページを見て、自分に合いそうな企業を探してみてください。興味があれば無料会員登録後、専門アドバイザーに相談してみるのがおすすめです。

7. まとめ

M&A業界は、事業承継ニーズの増大などを背景に今後も拡大が期待される注目市場です。経営者と直接対峙するダイナミックな仕事でありながら、実力を出せば若いうちから高収入を得やすいのが魅力。さらに、企業の存続や地域の経済を守る社会的意義も大きく、やりがいを感じやすいフィールドと言えるでしょう。

一方で、ハードワークや専門知識の習得が必要になるなど、厳しい一面もあります。しかし、「コミュニケーション力」「論理的思考」「財務・法務への学習意欲」「高収入を目指す野心」「ハードワークを厭わない成長意欲」の5つの資質がある方は、M&A業界で大きく飛躍できる可能性があります。

もし少しでも興味が湧いたなら、次のアクションを試してください。

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