近年、M&A業界へ転職を検討している方が増えています。理由の一つは、M&A(企業の合併・買収)が事業承継や成長戦略の要として急速に浸透し、M&A仲介会社や金融機関のM&A部門で人材不足が顕在化しているからです。若手・未経験でも採用ハードルが下がり、高年収を実現しやすい業界として注目を集めています。
本記事では、M&A業界の採用動向や気になる年収、必要なスキルセット、そして転職を成功させるためのポイントを徹底解説します。記事の後半では、専門エージェント「エムアンドエージョブボード(MAJB)」を活用した効率的な転職方法にも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

転職エージェント兼マネージャー
M&A JOB BOARD 増田 将汰
ますだ しょうた
明治大学卒業後、明治安田生命に入社。個人・法人営業を担当し、上位5%の成績を達成。その後、営業所長として約50名のマネジメント経験を積む。株式会社WILLCOでは「弁護士・法務領域」と「採用コンサルティング事業」をゼロから立ち上げ、現在はM&A JOB BOARDの事業責任者として、業界に特化した転職・就職サポートを行い、業界トップクラスの実績を実現。
M&A業界の採用ニーズが高まる背景
1. M&A市場拡大による人材不足
M&Aが中小企業の事業承継や大手企業の成長戦略として一般化し、国内M&A件数は過去最高水準を更新し続けています。
特に2021~2022年にかけてはリーマンショック後を大きく上回る活況を見せ、これに対応するためM&Aアドバイザーやアナリストを中心に各社が積極的に採用を進めています。ただし人材の供給が追いつかず、慢性的な不足感が強まっているのが現状です。

M&A仲介会社だけでも新規参入が相次ぎ、熾烈な人材争奪戦が起こっている印象です。
2. 未経験者への門戸が広がる理由
かつてM&A業界は会計士や弁護士などの高度専門職が中心で転職難易度が高い印象でした。しかし近年は人材不足を背景に、新卒採用や未経験歓迎の中途採用枠を設ける企業が増加しています。
特に大手M&A仲介会社では20代や第二新卒を育成し、早期に戦力化する戦略を積極的に採用。これにより「M&A未経験でも挑戦できる」環境が整いつつあります。

一定のビジネススキルとやる気があれば、今がチャンスといえます。下記で未経験者でも歓迎している求人企業のおすすめを紹介しています。気になる方はチェックして下さい。

3. 即戦力・ポテンシャル採用それぞれの特徴
M&A企業が求める人材は大きく「即戦力」と「ポテンシャル採用」に分かれます。会計や金融の専門知識、法人営業の実績などがあれば20代後半以降の方でも有利になります。
一方、ポテンシャル採用では「実績に裏付けされた行動力」や「高いコミュニケーション能力」を重視する傾向があります。未経験であれば、前職での成果やリーダーシップ経験をアピールすることで門戸が開かれるケースが増えています。
M&A業界の主な職種と必要なスキルセット
1. M&Aアドバイザー(仲介会社)
多くの中小企業の買収・売却案件に携わるのがM&A仲介会社のアドバイザーです。売り手・買い手のマッチングから交渉、クロージングまで一貫して担当するため、高い折衝力と総合的な知識が求められます。
- 地道な営業活動で経営者との信頼関係を構築し、成約時の成功報酬で収入が増えるインセンティブ制度を導入している企業も多いです。
必要なスキル例 | 法人営業経験、財務・会計知識、提案力、粘り強さ |
活かせる経験 | 医療・製造・ITなど多業界の営業、コンサルタント経験 |
やりがい | 企業の命運を左右するM&Aを一気通貫でサポートできる |
2. M&Aアナリスト/アソシエイト(投資銀行系)
投資銀行や証券会社のIBD(投資銀行部門)で活躍する若手ポジションがM&Aアナリストやアソシエイトです。バリュエーションや財務モデリング、資料作成を担い、高度な会計知識とエクセルスキル、英語力が必要とされます。
- 外資系の場合、報酬水準がさらに高い一方、深夜・休日の業務が続くなど激務になりやすいのが特徴です。
必要なスキル例 | エクセルを使った財務分析、英語力、ハードワークへの耐性 |
キャリアパス | アナリスト → アソシエイト → VP → ディレクター → MD |
魅力 | 成果主義の報酬体系で、若手でも年収1,000万円超が狙える |
3. M&Aコンサルタント(FAS・コンサルファーム)
監査法人系FASや大手コンサルファームでは、財務デューデリジェンスやPMI(買収後統合)のコンサルティングを行います。会計・税務・法務の専門家が集まり、プロジェクトベースで多様なクライアントを支援するため、論理的思考とコミュニケーションスキルが重要です。
- 会計士や税理士などの資格を活かしつつ、経営目線を磨ける点が大きな魅力となっています。
必要なスキル例 | 財務・税務の深い知識、プレゼンテーション能力、プロジェクト管理能力 |
活かせる資格 | 公認会計士、税理士、USCPAなど |
特徴 | 大手企業のM&A戦略立案やPMI支援など、上流~統合フェーズに携われる |

FAS系は働き方が整備されている傾向があり、投資銀行と比べるとワークライフバランスを取りやすいという声もあります。
M&A業界の年収相場とキャリアパス
1. 投資銀行系の年収例
外資系投資銀行におけるM&Aアナリストの年収は700万~1,000万円程度が一般的で、アソシエイトクラスは800万~1,300万円程度まで上がります。さらにVP(ヴァイスプレジデント)以上になると1,300万円を超え、ディレクタークラスでは2,000万円台後半から、成果次第では数千万円~1億円に達する可能性もあります。
まさに実力主義の世界といえます。
- 新人時からハイレベルな財務分析力と英語力が求められる
- 実績次第で若手でも高年収を狙えるが、激務を覚悟する必要がある
- キャリアパスが明確で、昇進するごとに報酬が飛躍的に伸びる
2. M&A仲介会社の年収例
国内のM&A仲介会社では、固定給に加えて成約報酬のインセンティブが入る仕組みが多いです。新人時の想定年収は400万~1,000万円ほどで、そこから成約案件を増やせば1,500万円~2,500万円を狙えます。
案件数や規模次第では30代で年収3,000万円超に到達するケースも珍しくありません。
- インセンティブ比率が高く、成績次第で大幅な年収アップが可能
- 地道な営業活動が成果につながるため、法人営業の経験が活きる
- 中小企業の事業承継案件が多く、経営者との信頼関係構築が鍵
特にM&A総合研究所は給与水準が高いと評判です。下記記事で解説しています。

3. コンサルファーム/FAS系の年収例
コンサルファームやFASの若手コンサルタントは600万~800万円程度からスタートし、経験を積むと1,000万円を超えていきます。マネージャーやシニアマネージャークラスで1,500万~2,000万円が目安。
ディレクター・パートナー職となれば3,000万円を超える報酬も期待できるでしょう。
- 会計・財務・税務など高度専門知識を武器にコンサルティングを行う
- プロジェクトベースで複数案件を同時進行するため、論理的思考力が必須
- パートナー昇進で大幅な報酬アップが見込める一方、競争も激しい

ただしパートナー昇進には厳しい選考プロセスがあるため、長期的なキャリアプランが必要です。
M&A業界への転職成功のためのポイント
1. 志望動機は“社会貢献”や“経営課題への興味”をセットで
M&A業界は決して「高収入を得たいから」という理由だけで通用するほど甘い世界ではありません。経営者の人生を左右し、企業の成長や存続を支援する大きな責任感が求められます。
- そのため、「事業承継問題を解決したい」「自分の交渉力を企業存続に活かしたい」など、具体的な想いと興味関心を志望動機としてまとめることが重要です。
2. 自身のスキルと経験を棚卸ししておく
未経験からでも、前職の営業成績やプロジェクト管理経験、英語力などは十分アピール材料になります。逆に不足している知識(会計・財務・税務など)は簿記取得やオンライン講座で補うなど、事前に行動しておけば選考時に好印象です。
- 企業から見て「成長の伸びしろが感じられる人材」とアピールできるかどうかがカギとなります。
3. 面接対策:ロジカルかつ簡潔に伝える
M&Aアドバイザーやコンサルタントの仕事は、経営者や投資家と短い時間で本質的な議論を交わします。面接でも「結論→根拠→具体例」という流れを意識したロジカルなコミュニケーションが好まれます。
- 仮に知らない専門用語が飛び出しても、学ぶ意欲を見せながら冷静に対応できる姿勢が評価につながります。
M&A業界の転職に失敗しないために
1. ハードワークと成果主義への覚悟
M&Aは締め切りや競合の動きに左右され、昼夜を問わず突貫作業が発生します。投資銀行系は特に激務ですし、仲介会社でも成約報酬型のためとにかく成果が求められます。長時間労働が続いてもモチベーションを維持できる覚悟が必要です。
「早期退職した」という声の多くは、事前の認識不足が原因です。

実際、睡眠時間を確保するのに苦労するケースも少なくありません
2. 収入アップは時間がかかる場合もある
「すぐに年収が上がる」と思い込み、いざ入社してみると案件獲得に苦戦して固定給のみになってしまうことも
特にM&A仲介は高額インセンティブが魅力ですが、初年度は成果が出にくいことも想定しましょう。
企業の報酬体系(固定給と歩合の割合)を面接でしっかり確認し、短期的収入よりも中長期的に成長できる環境かどうかを検討すべきです。
3. 企業選びの重要性
同じM&A業界でも、投資銀行・仲介会社・FAS・事業会社内のM&A担当といった職種や企業カルチャーは多種多様です。大手かベンチャーか、外資か国内か、クライアント層や案件規模などによって求められるスキルや働き方が異なります。
自分の性格やキャリアプランと合う会社を慎重に見極めることが転職成功の秘訣です。

実際に在籍している知人やエージェントから生の情報を集めることを強くおすすめします
M&A業界の採用に関するよくある疑問
Q1. M&A業界に未経験で入るのは難しいのでは?
A. 近年は未経験者歓迎の求人が増えており、実際に営業やコンサル経験を活かして転職に成功している例が多々あります。会計や英語の知識が無くても、入社後の研修や実務で習得できる環境を整えている企業も少なくありません。
とはいえ、最低限のビジネスマナーやコミュニケーション能力、学習意欲は必須です。下記記事で詳しく解説しています。

Q2. M&A業界では英語力がどれくらい必要ですか?
A. クロスボーダー案件が多い投資銀行や外資系コンサルファームでは、ビジネスレベルの英語が求められます。一方、国内中小企業の事業承継をメインとする仲介会社であれば、英語は必須ではないケースもあります。
英語力を強みとしてアピールできるなら、採用時の評価が上がる可能性が高いでしょう。
Q3. 年収は本当に1,000万円以上可能でしょうか?
A. 案件規模や企業規模、本人の実績次第で20代~30代でも1,000万円超えは十分あり得ます。特にM&A仲介会社ではインセンティブ報酬が大きい傾向にあり、高い営業力があれば短期間で高収入を実現できます。
ただし成果次第で収入に大きな差がつく点には留意が必要です。
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まとめ
M&A業界は今まさに“採用ニーズ急増期”を迎え、未経験からでも高い年収とダイナミックなキャリアを築ける可能性が広がっています。一方で、激務であることや成果主義の厳しさも事実として存在します。転職を成功させるには、自身の強みを活かせるポジションを見極め、必要となる知識を補い、面接ではロジカルにアピールすることが大切です。
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