M&A仲介業界では、成果次第で圧倒的なスピードでキャリアアップし、高年収を実現できる魅力があります。近年は中小企業の事業承継ニーズの高まりや、市場全体の拡大により、M&A仲介会社への転職が注目を集めています。
一方で、「M&A仲介のキャリアパスって具体的にどうなっているの?」「未経験でも転職は可能?」「高収入を得られるって本当?」と、疑問や不安を抱える方も少なくないでしょう。
本記事では、転職成功のために押さえるべきポイントやスキル、具体的な年収データまで徹底解説します。さらに、専門エージェントの活用や成功事例など、あなたのキャリアアップに役立つ実践的ノウハウをまとめました。ぜひ最後までお読み下さい。

転職エージェント兼マネージャー
M&A JOB BOARD 稲田 成秀
いなだ なるひで
早稲田大学法学部卒業後、不動産業界を経て、医療系のキャリア支援に従事。株式会社WILLCOでは、主力事業の責任者として事業拡大を牽引。最優秀エージェント賞を複数回受賞し、役員採用や事業承継仲介に携わる。現在はM&Aキャリア開発事業部の事業責任者を務め、豊富な知見に基づくのキャリア支援・採用支援を通し、業界全体の“働きがい実現”に尽力している。
1. M&A仲介のキャリアパスとは?
1-1. そもそもM&A仲介とは?
M&A仲介は、企業の売り手(オーナー経営者)と買い手企業の間に立ち、合併買収の成立をサポートする仕事です。具体的には、案件開拓から条件交渉、最終契約まで一貫して担当します。

売り手・買い手双方の利害調整が極めて重要であり、最終的には「人と人」をつなぐ対人折衝能力がものを言うケースも多いです。
- 案件開拓:売り手企業・買い手企業のリストアップ、経営者とのリレーション構築
- 条件交渉:売却価格や従業員の雇用条件、アフターサービスの取り扱いなど
- クロージング:最終契約書面の締結、資金決済・譲渡の実行
こうしたプロセスを通じて企業の成長や事業承継を手助けするため、結果的に地域経済や日本全体を支える役割を担っています。
1-2. 典型的なキャリアステップ
M&A仲介のキャリアパスは、「アソシエイト(ジュニア) → マネージャー → 役員クラス」のように階層的に上がっていくケースが多いです。
まずは案件サポートからスタートし、財務分析や提案資料の作成を習得
マネージャーとして複数の案件を指揮。交渉力・プロジェクトマネジメント能力が求められる
経営陣に近い立場で大型案件を担当。

業界の特長として、若手でも成果を出せば30代前半で役員クラスに抜擢されることがあり得ます。 これは他の業界にはないスピード感です。
1-3. 転職・独立によるキャリアの広がり
M&A仲介会社で実績を積んだ後は、以下のようなキャリアパスが広がっています。
- 他の仲介会社への転職:ヘッドハンティングが活発で、年収大幅アップも狙いやすい
- 事業会社への転身:経営企画やCFOなど、M&A戦略を主導するポジションに就くケース
- 独立・起業:個人アドバイザーや独立系仲介会社を立ち上げる

実際に、大手M&A仲介会社の上位成績者が、自ら会社を起ち上げて独立し、成功している事例を何度も見聞きしています。
2. M&A仲介で求められるスキルと年収アップの仕組み
2-1. 求められるスキル・適性
- 簿記2級程度の会計知識
- 会社法や独占禁止法などの法務知識
- デューデリジェンス(DD)でのリスク洗い出し
- プロジェクト管理能力、課題抽出力
- 経営者クラスとの折衝やヒアリングの技術
- 営業経験があれば武器になる
- クロスボーダーM&Aや外資系ファンドとの取引に活かせる

未経験で入社する方も多いのですが、最も重要なのは「知的好奇心と粘り強さ」だと感じます。足りないスキルは後から猛勉強すればどうにでもなりますが、途中で投げ出さない粘り強い姿勢は訓練ではなかなか身につきません。
2-2. 年収・待遇の実態
M&A仲介業界は、他業種と比較しても際立って高年収です。例えば上場企業であるM&Aキャピタルパートナーズは平均年収2,000万円超、ストライクや日本M&Aセンターも1,000万円を大きく上回る水準で知られています。
- 初年度の想定年収
未経験でも500万円~700万円程度が一般的。金融機関出身者なら800万円~900万円スタートの例も - インセンティブ制度
基本給+高額歩合給の会社が多く、大型案件を成約すると数百万円以上のボーナス獲得も珍しくない
【図表:主要M&A仲介企業の平均年収(推定)】
企業名 | 平均年収 (推定) | 特徴 |
---|---|---|
![]() | 約2,277万円 | 大型案件主体でインセンティブが突出。成果主義色が強い |
![]() | 約1,608万円 | 地方銀行とのネットワークに強み。安定的に高収入を狙える |
![]() | 約1,243万円 | 業界最大手。固定給が高く、インセンティブも平均的に高水準 |
![]() | 約2,800万円 | 急成長中の新興。ITによる効率化で業績拡大 |
![]() | 約800万円前後 | 中堅。地域特化型の案件を扱い、上場後も拡大路線 |

もちろんすべての人がいきなり数千万円を稼げるわけではありませんが、未経験スタートでも案件成約次第で青天井に近い報酬を得られるのは事実です。
その反面、クロージング直前の詰め作業などで深夜・休日に及ぶこともあり
「ハードワークをいとわない人には天国の業界」とも言えます。
2-3. 年収を伸ばすポイント
- 常に質の高いリードを探す努力を怠らない
- 法律・財務周りは専門チームに任せつつ営業活動に注力するなど
- マネージャー職に就けば、成約案件分のインセンティブを“取りまとめ”として獲得できる
- 単なる金額ベースなのか、件数+定量評価なのか、各社ごとの仕組みを理解し、戦略的に動く
3. 転職成功のための戦略とポイント
3-1. 未経験でもチャンスはある?
結論として、未経験からでも転職は十分可能です。実際に法人営業出身の方が「社長との折衝や提案活動」に強みをアピールして内定を得たり、地方銀行の融資担当が地元企業ネットワークと金融知識を評価されて入社したケースなど多数報告されています。
- 財務・会計の基礎を独学でも学ぶ
簿記2級やM&A関連資格への挑戦で“やる気”をアピール - 営業経験やコンサル経験を強調
ヒアリング力・課題解決力はM&A仲介でも重要 - 面接対策を徹底する
自社にマッチした志望動機と、ロジカルな回答を準備

とにかく「自分の過去の経験がM&A仲介のどこに役立つのか」を、面接官に明確に示すことが鍵です。企業は、すぐに案件を回せる人材を求めるので、“ポテンシャル”だけではなく“具体的な即戦力イメージ”を伝えられるかが勝負。
3-2. 志望動機・自己PRのポイント
- 志望動機
なぜM&A業界なのか。自分の経験とM&A仲介の仕事をどのようにつなげるのか具体的に述べる - 自己PR
成功事例(営業でトップ成績を取った等)を数字とともに示す。「社長から直接ありがとうと言われるのがやりがい」など、モチベーションの源泉を絡めると好印象 - キャリアビジョン
入社後にどのように活躍し、将来どうなりたいかを語る。企業にとって“将来のリーダー候補”と感じさせることが重要
下記記事でより詳しく志望動機について解説しています。

3-3. 転職エージェントの活用メリット
- 非公開求人の紹介
自力では探しにくいレアポジションを紹介してもらえる - 応募書類のブラッシュアップ
業界に精通したエージェントが“通る履歴書・職務経歴書”をアドバイス - 面接対策の質が違う
面接本番で聞かれる可能性の高い「M&A特有の質問」への具体的な対策

M&A業界は企業ごとのカラーが強いため、「自分に合った社風の会社を選ぶ」のが長期的成功のポイントです。その見極めをエージェントが手助けしてくれます。
第5章でおすすめの転職エージェントを5社ご紹介しておりますので、気になる方は参考にして下さい。
4. 実際の成功事例とキャリアアップ後の変化
4-1. 法人営業出身が年収倍増・マネージャー昇進

法人営業出身→大手M&A仲介企業へ転職後、わずか2年でマネージャーへ昇進

本人が「経営者視点を理解する営業力」を武器に、地道な案件開拓を続けた成果が大きかったと聞きます。
4-2. 地方銀行出身が地元企業ネットワークで活躍
30代前半の地方銀行出身者は、融資先企業とのネットワークを活かしてM&A案件を獲得し、見事トップクラスの成績を叩き出しました。

地方銀行出身→中堅M&A仲介企業へ転職。2年目でプレイヤー兼マネージャーで活躍
- 金融知識に加え、「この会社は近い将来事業承継が必要」といった嗅覚を発揮
- 入社2年目にはプレイヤー兼マネージャーとしてチームを牽引
【結果】年収は入社前の倍以上に。さらにバイアウトファンドなどから声がかかり、キャリアの選択肢が大きく広がっています。
4-3. 転職後のワークライフバランス
- ハードワークは前提
クロージング前は夜間・休日の対応も多い - 効率化の進む会社も増加
IT活用や分業制の導入、リモートワークの一部推進など

近年は働き方改革の流れを受けて、従来ほどの“激務”イメージだけではなくなりつつあります。会社選び次第では高収入×プライベートの充実の両立も不可能ではありません。
5. M&A転職エージェントおすすめ5選
M&A仲介のキャリアアップを狙う方に、特におすすめの転職エージェント・サイトを厳選してご紹介します。

転職エージェント選びは“相性”が重要です。無料面談を受けてみて、担当コンサルタントとウマが合いそうかどうかを見極めるとよいでしょう。
5-1. M&A JOB BOARD(エムアンドエージョブボード)

M&A JOB BOARD(エムアンドエージョブボード)はM&A業界専門の求人サイト兼エージェントとして、仲介会社・金融機関・コンサルなど幅広いM&A関連ポジションを網羅。経験豊富なアドバイザーとの無料キャリア相談を受けられ、書類添削や面接対策など手厚い支援が特徴です。未経験からハイキャリア層まで対応しており、M&Aに絞って情報収集したい方には外せない存在。
おすすめ度:
- M&Aに完全特化
仲介・金融・コンサルなどM&A関連企業を中心に求人を網羅 - 無料キャリア相談
マンツーマンで履歴書・職務経歴書の添削から面接対策まで実施 - 幅広い求人ゾーン
未経験歓迎からCFOクラスまで多数のポジションを保有
- 「M&A業界一本」で転職を検討している人
- 業界未経験だが、専門エージェントのサポートで着実に準備したい人
- 金融・コンサル経験を活かしてキャリアアップを狙いたい人

M&A JOB BOARDは“唯一のM&A業界に特化した求人サイト”です。豊富な非公開求人と専門アドバイザーによるサポートが好評です。無料キャリア相談も敷居が低く、在職中でもスムーズに情報収集を始めやすい点が大きな魅力です。
5-2. ヤマトヒューマンキャピタル

金融機関出身のメンバーが中心となり設立されたエージェントで、銀行・証券など金融出身者の転職サポートに強みを持ちます。地方企業や成長中の中堅企業などの案件も扱っており、地域密着型の事業承継やM&Aニーズにも応えられる体制。
地方での経営課題解決や事業承継に強い関心がある方に好相性です。
おすすめ度:
- 金融出身メンバー
銀行や証券の知見を活かし、的確な転職アドバイス - 地方企業にも対応
- 地域でのM&Aや事業承継案件も豊富
- 幅広い年代をカバー
- 若手~ミドルクラスまで幅広く実績
- 金融機関での経験をM&A転職に活かしたい人
- 地方での事業承継や地域活性化の要素にも興味がある人
- 銀行・証券を含む様々なキャリアパスを比較したい人

金融機関で培った知見やネットワークを活かしたM&A転職を考えるなら、ヤマトヒューマンキャピタルは良い選択肢になるでしょう。地方企業とのマッチングにも対応しているため、「都市圏だけでなく地域経済にも貢献したい」という方に向いています。
5-3. 明光キャリアパートナーズ

公認会計士・税理士・金融機関出身者などの転職支援を得意とするエージェント。財務・会計に強いコンサルタントが多く、M&Aアドバイザリーやコーポレートアドバイザーなど専門性の高い求人を多数保有しています。
簿記や会計士資格など「数字を扱うプロフェッショナル」としての知識を、M&A領域でフルに活かせます。
おすすめ度:
- 会計・金融特化
公認会計士や税理士のキャリアサポートが充実 - M&Aコンサル案件多数
企業価値評価や財務分析が活きる求人を中心に展開 - 専門コンサルタント
業界に精通したアドバイザーがサポート
- 会計・税務の知見をM&Aでより高いレベルに活かしたい人
- 事業会社・金融機関からM&Aアドバイザリー転身を考えている人
- 専門資格やスキルを武器にキャリアアップを狙いたい人

「金融・会計のプロフェッショナル向けエージェント」として確固たる地位があります。数字を強みに、M&A業界でキャリアアップしたい方にとって的確なサポートが期待できます。
5-4. リメディ

中小企業の後継者不在や事業再生を中心に手掛けるM&A仲介・コンサルと人材紹介サービスを併営。現場で培った経営者とのコミュニケーションノウハウを転職支援にも活かしており、“経営視点”を大切にしたコンサルを強みとしています。
事業承継や企業再生に深く関わりたい人におすすめです。
おすすめ度:
- 事業承継
企業再生:後継者不在や再生案件が多数 - 経営者視点の徹底
コンサルティングの実務経験者が人材紹介を実施 - 実務家集団
現場感覚を重視し、細やかなマッチングを提供
- 中小企業の事業再生や承継M&Aに力を発揮したい人
- 経営視点を学びたい、少数精鋭型のコンサルティング会社で働きたい人
- 現場主義の転職支援を受けたい人

後継者問題や企業再生はM&A業界でも非常にニーズの高い分野。リメディは“現場密着型”であり、オーナー経営者との太いコミュニケーションが特徴なので、実践的なM&Aコンサルを目指す方に良いマッチが期待できます。
5-5. コトラ

金融・コンサル・ITのハイキャリア層向け転職支援に強みを持つエージェント。投資銀行やPEファンドなど専門性の高い求人を数多く取り扱っており、ハイレベルなM&A関連案件を探す際に重宝します。
元銀行・証券出身のアドバイザーが多く、金融業界の転職トレンドや企業動向を深く把握している点が魅力。
おすすめ度:
- 金融・コンサル業界に特化
投資銀行やファンド案件も多数 - 専門アドバイザーの層が厚い
金融機関出身者が多くノウハウ豊富 - ハイクラス転職
年収1,000万円以上の求人も多い
- 投資銀行や外資系PEファンドなど、高収入案件を目指す人
- 銀行・証券など金融機関の経験をさらに深めたい人
- グローバルM&Aや大型ディールに携わりたい、ハイレベルな案件志向の人

金融・コンサル領域でハイクラスなポジションを狙いたい方に好評です。M&A仲介だけでなく、投資銀行やPEファンドなども視野に入れているなら、コトラの強いネットワークが役立つでしょう。
もっとM&A業界の転職エージェントを知りたい方は以下の記事でも解説しています。

6. MAJBを活用するメリット—無料キャリア相談で最短ルートを掴む

6-1. 「M&A業界唯一の求人サイト」で選択肢が広がる
MAJB(M&A JOB BOARD)は「M&A業界唯一の求人サイト」として、幅広い求人を取り扱っています。大手企業から中堅・ベンチャー企業まで、様々な非公開求人を紹介しています。
- 豊富な非公開求人
M&A仲介、ファンド、事業会社のM&A部門など、公開されていないレアポジションを含めて数多くの求人を保有。職務経歴や志向に合わせた選択肢が広がります。 - 手厚い面接・書類対策
M&A転職に必要とされる専門用語や面接でのポイントを熟知したアドバイザーが、一人ひとりの経験や強みを整理し、選考突破をサポートしてくれます。 - M&A特化ならではのノウハウ
他の総合型エージェントにはない、M&Aに特化した独自の知見が蓄積されているため、求職者が不安に思いやすい専門知識や選考ポイントを具体的に教えてくれます。

M&A専門の求人サイトは他に例が少なく、「自分に合った案件や企業が見つかるのか?」という不安を持つ方でも安心して相談できます。幅広い選択肢から比較検討できるのは大きなアドバンテージと言えるでしょう。
6-2. 徹底した1対1面接対策
- 企業ごとの選考傾向を熟知している
- 「クロスボーダー案件の経験は?」など具体的な質問の切り口まで教えてくれる
- 個別フィードバックにより、弱点を徹底的に補強

面接官が気にするのは「この人は本当に成果を出せるか?」。MAJBでは自分の持つスキルや経歴を、どのように「成果」に紐づけて説明すれば刺さるのかまでサポート致します。
6-3. 無料キャリア相談のすすめ
まずは気軽にキャリア相談をすることで、「M&A仲介が自分に合っているのか」を客観的に判断できます。
- オンライン面談OK
忙しい方でも自宅やカフェから参加可能 - 料金は一切無料
企業からの紹介手数料で運営しているため求職者の費用負担はゼロ - 入社後のアフターフォロー
内定獲得後も不安があればいつでも相談可能
7. まとめ
M&A仲介のキャリアパスは、短期間で大きな実績を積み、圧倒的なスピードでキャリアアップや高収入を狙える可能性を秘めています。
ただし、市場規模が拡大し続けている一方で、ハードワークや高い専門性が求められるため、「何をどのように準備し、どの会社を選ぶか」が転職成功のカギです。
本記事のまとめ
- 未経験でもチャンスあり:営業や金融、コンサル出身者など多様なバックグラウンドを歓迎する企業が増加
- 成果次第で年収1,000万円超えも可能:30代前半で役員クラスに昇進する事例も
- 無料キャリア相談の活用が近道:M&A業界出身のエージェントを味方につければ、希望に合った企業に効率良くアプローチできる
7-1. 次のステップ
M&A仲介業界への転職を少しでも考えている方は、まずは無料キャリア相談を受けてみませんか?専門アドバイザーがあなたの経験や希望を丁寧にヒアリングし、ベストな求人やキャリアプランを提案します。

まずは気軽にプロに話してみることで、あなたが持っている強みや可能性に新たに気づけるはずです。「無料キャリア相談 → 会員登録 → 選考対策」のステップを経て、多くの方が短期間で内定を勝ち取っています。
ハードワークを厭わない挑戦意欲をお持ちなら、M&A仲介というフィールドは大きな飛躍の舞台となるでしょう。
この記事が、皆さまのキャリア選択の一助となれば幸いです。