M&A業界は近年ますます注目されており、高収入かつ社会的意義の高い仕事として、多くのビジネスパーソンから人気を集めています。特に未経験でもチャレンジしやすい環境が整いつつあります。
しかし、専門性が高く敷居が高いイメージがあるのも事実。本記事では、M&A業界ならではの魅力や求められるスキル、未経験者向け志望動機例文に加え、転職成功のための具体的な手順まで幅広く解説します。ぜひ最後まで読み進め、あなたの新しいキャリアを切り拓く一歩にしてください。

転職エージェント
M&A JOB BOARD 小松﨑 資
こまつざき たすく
中央大学法学部を卒業後、株式会社コーセーに新卒入社。法人営業及び本部窓口営業に従事。販売戦略の策定やステークホルダーとの関係構築を得意とし、在籍約3年間で営業成績で上位4%に入る成果を上げる。当社へ転職後、士業求人サイト「LEGAL JOB BOARD」でトップセールスを記録したのち、M&A業界に特化した転職サービス「M&A JOB BOARD」の立ち上げにに従事。現在は、M&Aキャリア開発事業部のエージェントとして、潜在的なニーズを引き出すヒアリング力と「想像以上のキャリア提案」を武器に、担当会員様からの高い満足度を誇る。
1. M&A業界が人気の理由
(1) 市場が拡大し将来性が高い
M&A(企業の合併・買収)は、企業間の統合によってシナジーや成長戦略を実現する手段として、近年ますます注目を集めています。実際、上場企業によるM&A件数は3年連続で過去最多を更新中。2023年は公表ベースで1,068件に達し、リーマンショック前の水準を超える高水準となりました。

この増加傾向は大企業だけでなく、中小企業の事業承継ニーズが高まっている点も影響しています。
さらに帝国データバンクの調査では、全国の約53.9%の企業が後継者不在という深刻な現状を抱えています。こうした背景から、M&Aは成長産業として扱われるようになり、今後も市場規模は拡大する見通しです。
(2) 社会的意義の大きさ
M&Aは、単なる企業間の取引だけではなく、地域経済や雇用を守る大切な手段でもあります。後継者不足による廃業を防ぎ、企業と従業員の未来を繋げることで、社会貢献度が非常に高い仕事と言えるでしょう。

「困っている企業を救う」「社員の雇用を守る」など、直接感謝の言葉を頂ける場面も多いのが魅力です。
(3) 高収入・実力主義の環境
M&Aアドバイザーは、案件が成約するごとに高額の手数料(フィー)が発生し、一部がインセンティブとして個人に還元されます。そのため、20代後半~30代前半でも年収1,000万円超が珍しくありません。成果主義が徹底しており、若手でも大きく稼げるチャンスがある点が人気の理由です。
- 平均年収は2024年9月期で約2,277万円(平均年齢32.2歳)に達し、上場企業の平均年収ランキングで常にトップクラス。
(4) やりがいの大きさ
M&Aの最前線では、オーナー経営者や大企業の役員と交渉・調整を行うため、視座の高い仕事に携われる醍醐味があります。また、大型案件やクロスボーダーM&Aになると、数億~数百億円規模のお金が動き、プロジェクトのダイナミックさは他業界ではなかなか味わえません。
2. 未経験転職で求められるスキル・適性
(1) まずはマインド面:成長意欲・責任感が大切
M&A業界は華やかな印象がありますが、激務”と言われるほど大変な局面も多々あります。プロジェクトの成功に向けて、粘り強く努力を続けられる責任感と高い成長意欲が重要です。未経験であっても「新しい知識を積極的に吸収する姿勢」や「チームワークを大切にする謙虚さ」が評価されます。

ハードルは高いですが、その分成長・高収入・社会的貢献というリターンが得られると考える方ほど向いています。
(2) 財務・会計の基礎知識
M&Aでは企業価値評価や財務デューデリジェンスなど、数字を扱う場面が多いです。そのため最低限の簿記知識(日商簿記2級程度)があると強いアピールになります。公認会計士や税理士などの高度資格保有者は即戦力として重宝され、高待遇オファーにつながるケースも少なくありません。
(3) 交渉力・コミュニケーション力
M&Aは交渉の連続です。売り手経営者、買い手企業、金融機関、弁護士など様々なステークホルダーの利害を調整し、最適解を導くコミュニケーションスキルが不可欠。営業経験者やコンサル出身者はそのスキルセットを転用しやすいでしょう。
(4) ロジカルシンキング・分析力
企業の財務諸表や市場データを分析し、問題点を抽出したり、デューデリジェンスでリスクを洗い出したりと、論理的思考能力が欠かせません。コンサルファームや事業会社での企画・分析業務の経験は大いに活かせます。
(5) 語学力(特に英語)
海外企業とのクロスボーダーM&Aが増えているため、英語力を持つ方はさらに強みとなります。外資系や大手仲介会社ではTOEICスコアやビジネス英会話が必須となる場合もあります。一方、国内中小企業の事業承継がメインの仲介会社では語学スキルがなくても問題ないケースが多いです。
3. M&A業界の志望動機の作り方と例文
(1) “Why M&A業界?”を明確にする
まずは「数ある金融・コンサル業界の中で、なぜM&Aなのか」を論理的に説明することが大切です。
- 社会的意義に魅力を感じた
- 実力主義の世界で成長したい
- 中小企業の事業承継に貢献したい
- ダイナミックな案件に携わりたい
など、自分だけのエピソードや背景と組み合わせると説得力が高まります。

「家族や身近に事業承継問題で悩んだ人がいた」などパーソナルストーリーを加えると印象的になります。
(2) “Why その会社?”を入れる
M&A業界にも大手仲介会社、外資系投資銀行、FAS、ブティックファームなど多数の企業があります。面接官からすると「他社ではなく、なぜうち?」を知りたいので、企業研究をしっかり行い、強みや特徴と自分の志向の合致点を具体的にアピールしましょう。
(3) 自分の経験とM&A業務の接点を示す
未経験者の場合でも、これまでの仕事の中で培ったスキルは必ずあります。スキルや輝かしい実績があれば、PRポイントとして文章に加えましょう。たとえば、
- 法人営業でトップセールスの実績を残し、1年目に社内新人賞を獲得
- 事業会社の新規事業立ち上げ経験
- 金融機関での法人向け提案活動に従事 社内受賞多数
- コンサルファームで課題解決プロジェクト
などを、「M&Aでも活かすことができる」「再現性がある」ことを意識してPRしましょう。
(4) 志望動機NG例に注意
- 「とにかく年収が高そうだから」
- 「現職が嫌なので逃げたい」
- 「社風に惹かれました」など抽象的表現だけ
など、ネガティブ要因や曖昧な言葉だけで終わらないように。必ずポジティブかつ具体的な理由をメインに据えるのがポイントです。
【未経験者向け 志望動機 例文】
「私がM&A業界を志望する理由は、高齢化により後継者不足が深刻化する中で、企業の未来を繋ぐ支援ができる点に大きな魅力を感じたからです。前職では法人営業として中小企業の経営者に寄り添いながら課題解決に取り組み、多くの成功体験を積んできました。しかし、企業の成長をさらに大きな視点で支援したいという思いが強まり、M&Aアドバイザーへの転身を決意しました。
数ある仲介会社の中でも、御社は中堅・中小企業の事業承継支援に特化していると伺い、その社会的意義の高さと経営者への深い伴走スタイルに共感しています。私が培った営業力や交渉力を活かし、売り手・買い手の双方にWin-Winな結果を提供し続けたいです。加えて、御社の実力主義の評価制度や若手に裁量を与える社風は、私がさらなる成長を目指すうえで理想的な環境だと考えます。」

上記のようなポイントが盛り込まれた文例が参考になるでしょう。自分のストーリーと企業のビジョンがリンクしている点を明確に書くのがコツです。
4. 転職成功のためのポイントと成功事例
(1) ポイント1:自分だけの“強み”を明確化
未経験者であっても、金融機関やメーカー営業、コンサルファーム出身など、その人ならではの経験は何かしらあります。「私は◯◯の実績がある→だからM&Aでも△△なスキルを発揮できる」という形で、面接官に“具体的な再現性”をイメージさせることが重要です。
(2) ポイント2:事前学習で基礎を補う
M&A業界では財務・会計の知識が求められます。日商簿記やM&A関連の書籍・オンライン講座で基礎概念をインプットしておくと、面接でも意欲を示せます。また、市場動向や主要プレイヤーの情報を入手し、業界研究を進めておきましょう。

面接で「最近のM&A動向や注目案件」について質問されることがあります。その際に知識不足だと厳しい印象になりかねません。
(3) ポイント3:専門エージェントをフル活用
M&A業界は特化型の転職エージェントを利用すると効率が上がります。非公開求人や企業別の面接対策、年収交渉など、専門家のフォローは非常に強力です。後述するエムアンドエージョブボードの活用もぜひ検討してみてください。
【成功事例1】メーカー営業から転身・29歳男性

【成功事例1】メーカー営業から転身・29歳男性
・前職:食品メーカーで法人営業
・転職先:中堅M&A仲介会社
・決め手:トップセールスの実績(社内受賞多数)をアピールし、面接では経営者目線の仮説提案を積極的に実演
【結果】入社後1年目で2件成約、インセンティブ込みで年収が前職の1.5倍に

有形商材の営業経験者でも、折衝力とコミュニケーション力が評価される好例です。
【成功事例2】コンサル出身・30歳女性

【成功事例1】メーカー営業から転身・29歳女性
・前職:戦略コンサルファーム
・転職先:上場大手のM&A仲介会社
・決め手:論理的思考と分析力、経営陣への提案力が即戦力として認められた
【結果】初年度からプロジェクトリーダーとして複数案件を担当、2年目で年収2,000万円超
5. 年収・働き方のリアルと将来性
(1) 高収入の仕組み
M&A仲介会社の収益源は、案件成約時に発生する手数料です。成約手数料は数千万円~数億円規模になることもあり、その一部がインセンティブとして個人に分配されます。
- 1件の成約で数百万円の報酬を得るケースも
- 20代で年収1,000万円超、30代で2,000万円超も現実的
- 上場大手仲介会社の平均年収は1,200~2,000万円台と非常に高水準
(2) 働き方は「メリハリ」と「自己管理」
繁忙期には夜遅くや休日出勤も多くなる反面、閑散期は比較的余裕があるというメリハリがあります。成果が数字に直結するため、「短期間で一気に稼ぐ→自由時間を作る」といった働き方も可能。
一方、クロージングに向けたラストスパートや経営者とのコミュニケーションは精神的負荷も大きいため、自己管理能力やストレス耐性は必須です。
(3) 将来性とキャリアパス
M&A業界は事業承継問題の加速や海外案件の拡大などから、今後も市場規模拡大が予想されます。
- より大型の案件を扱える
- 独立してM&Aアドバイザーファームを立ち上げる
- 事業会社のM&A部門リーダーに転身
などキャリアパスも多彩です。市場の伸びに伴い、自分の市場価値も大きく上がる可能性があります。
6. 転職を有利に進める資格・学習方法
(1) 有利な資格の例
- 公認会計士 / 税理士
財務・税務の専門知識を高く評価され、大手ファームや投資銀行、PEファンドでも需要大。 - 弁護士
契約交渉や法務デューデリジェンスに直結。M&Aアドバイザーとしてキャリアを築く弁護士も増加。 - 証券アナリスト (CFAなど)
バリュエーションや金融分析に強みを持ち、特に投資銀行部門での評価が高い。 - 日商簿記2級以上
M&Aで必要な財務三表の理解を示す基本資格として、比較的短期間で取得可能。

未経験者であっても簿記やM&A関連の民間資格に挑戦しておくと、面接時に「勉強中」「既に取得済み」と言えるだけで意欲をアピールできます。
(2) 学習方法:オンライン講座や実務書の活用
- YouTubeの無料講座
M&A基礎、財務諸表の読み方など解説動画が豊富。 - 有料オンラインスクール
会計・M&Aの実務を体系的に学べるコースを選ぶと良い。 - 書籍・業界レポート
最新のM&A動向レポートや、ビジネス誌の特集もチェック。
(3) 学習で得た知識を面接で活かすコツ
- 「○○という本を読み、事業承継ニーズの重要性を実感した」
- 「DCF法やEBITDAなどの基本指標は既に学習し、財務分析のベースがあります」
といった形で、具体的な学習内容をエピソードとして語ると説得力が増します。
7. 選考フローと内定までの道のり
(1) 一般的な応募~内定の流れ
書類(履歴書・職務経歴書・志望動機書など)を準備。
志望動機の説得力とスキルのマッチ度がチェックされる。
経歴・性格面の質問が中心。
ケース面接や簡単な財務分析テストが課される可能性あり。
志望度、将来像、経営陣との相性を重視。
年収・入社時期を交渉し、合意に至れば正式内定。
在職中なら円満退職を目指し、入社日を調整。

大手仲介会社だと最終面接までに3~4回の面接を行うケースもありますが、中堅・ベンチャーでは2回程度で決まることも多いです。
(2) 面接時のよくある質問例
典型的な質問例

なぜM&A業界を選んだのか?

これまでのキャリアで培った強みは何か?

クロージング直前にトラブルが起きたらどう対応する?

未経験だが財務分析にどう取り組むつもり?

成長性のある業界だが激務への覚悟はあるか?
(3) 面接対策のコツ
- 事前に企業研究を徹底し、志望動機の“Whyこの会社?”を明確に。
- 自身のエピソード(営業成績、コンサル経験など)を整理しておく。
- ケース問題や財務知識の基本を抑え、問われても対応できるように。
- エージェントの模擬面接で事前練習すると、回答の精度が上がる。
8. MAJBならではのサポート体制

ここでは、M&A転職に特化したエージェント「エムアンドエージョブボード(MAJB)」が提供する手厚いサポートについて解説します。未経験の方が一からスタートする際にも、有益な情報が満載です。
(1) M&A業界特化の転職エージェント
MAJBはM&A業界専門の求人プラットフォームを運営しており、大手仲介会社からブティックファーム、FAS、PEファンド、事業会社のM&A部門求人まで網羅的に案件を保有しています。
特に非公開求人が充実しており、Webに出ないレア求人にもアクセス可能です。コンサルタントは各求人の募集背景や社風、求める人物像まで詳しく把握しているため、あなたの志向に合った求人を的確に紹介してくれます。

自分の希望だけでなく、あなたの経験・スキルに合う求人を我々転職エージェントがプロの目線で探します。
(2) 無料キャリア相談で不安を解消
MAJBでは、未経験者でも気軽に参加できる無料キャリア相談を行っています。
- 転職を検討しているが何から始めればいいか分からない
- 自分の経験がM&Aに活かせるか確信が持てない
- どの仲介会社・ファームが向いているのか知りたい
といった疑問を1対1でじっくりヒアリングし、最適なキャリアプランや求人を提案してくれます。オンライン対応も可能なので、全国どこからでも相談できます。

「無料でプロにキャリアを相談できる」というのは、検討初期段階の方にとってハードルが低く非常にありがたいサービス。
(3) 主なサポート内容
- 書類添削・面接対策
M&A業界の選考ポイントを熟知したコンサルタントが、職務経歴書や志望動機をプロ目線でブラッシュアップ。模擬面接なども実施し、弱点を補強できます。 - 非公開求人の紹介
大手仲介会社、投資銀行系、PEファンドなど、一般には出回らない好条件の求人を多数保有。 - 条件交渉や日程調整を代行
年収交渉や入社日のスケジュール調整など、個人では言いにくい要望を代理で対応。 - 入社後のフォロー
入社後に感じたギャップやキャリア形成の相談にも乗ってくれるため、長期的な視点で安心して働けます。
(4) 具体的な利用ステップ
ご利用の流れ
- 公式サイトで会員登録
→ MAJBの求人一覧ページ で興味のある求人も確認可能。 - 無料キャリア相談を予約
経歴や希望条件などをヒアリング。未経験向けに基礎的なM&A知識や業界動向も教えてもらえる。 - 求人紹介・応募サポート
書類添削、面接対策、企業とのやり取りを代行。 - 内定・条件交渉・入社フォロー
最後まで専門家のサポートを受けながら安心して転職活動を進められる。
未経験からM&A業界を目指す場合は特に、「何をどう準備すればいい?」という段階でつまずく方が多いです。ここをエージェントのサポートで乗り越えれば、内定の可能性は大きく高まります。
M&A転職に興味はあるけど自分の経歴で通用するか不安…という方は、まず無料キャリア相談をご利用ください。

会員登録後、お気軽に「無料キャリア相談」をお申し込みいただくと、専任コンサルタントが1対1でサポートいたします。 最初の面談で得られる情報はとても大きいです。求人票だけでは分からない企業文化や本音の部分も教えます!
9. まとめ
「未経験だから難しいのでは…」と尻込みする人も多いM&A業界ですが、実際には多様なバックグラウンドを持った人材を求めています。営業力・財務知識・論理思考・英語力などの要素を掛け合わせ、自分なりの強みを最大化すればチャンスは十分にございます。
社会的にも意義が大きく、かつ個人の年収アップやキャリアアップを同時に実現できるフィールドです。ぜひ本記事の内容を参考に行動を起こし、あなたもM&Aの舞台で大きく羽ばたいてください。