新年度がひと段落する5月は、多くのビジネスパーソンがキャリアを見直し始めるタイミング。夏のボーナス前やゴールデンウィーク明けの「五月病」も重なり、「今の仕事に満足していない」「もっと自分を成長させる環境がほしい」と感じる人が少なくありません。とりわけ高年収と社会貢献の両立が期待できるM&A業界は、近年ますます注目を集めています。
しかしながら、「未経験からM&A業界へ転職するのは難しいのでは?」「専門知識が足りないかも…」と不安に思う方もいるでしょう。そこで本記事では、M&A JOB BOARD(MAJB)の転職エージェントが採用企業との面談を通じて得た独自調査をもとに、転職成功の鍵を握る「職務経歴書」の書き方を詳しく解説します。M&A職務経歴書の作り方をマスターすることで、未経験でも大きなハードルを乗り越えられるはずです。

転職エージェント兼マネージャー
M&A JOB BOARD 増田 将汰
ますだ しょうた
明治大学卒業後、明治安田生命に入社。個人・法人営業を担当し、上位5%の成績を達成。その後、営業所長として約50名のマネジメント経験を積む。株式会社WILLCOでは「弁護士・法務領域」と「採用コンサルティング事業」をゼロから立ち上げ、現在はM&A JOB BOARDの事業責任者として、業界に特化した転職・就職サポートを行い、業界トップクラスの実績を実現。
M&A職務経歴書が“転職の要”となる理由

M&A業界の採用担当者は、応募者の資質を「財務・法務の専門知識」だけでなく「営業力」や「コミュニケーション能力」など多面的に評価します。そのうえで、まず注目されるのが職務経歴書です。書類選考の段階で「この人と会ってみたい」と思わせられるかどうかは、職務経歴書の出来次第といっても過言ではありません。

「実際、M&A業界の面接に至る前に多くの応募者が書類選考で落ちてしまう理由は、“数字・成果”が曖昧だったり、キャリアの“活かしどころ”が明確に示されていないこと。逆に言えば、その2点を押さえれば書類通過率は格段に上がります。」
- 「前職で営業実績を◯◯%伸ばした」
- 「◯◯件の新規提案で上位成績を達成した」
など、具体的な数値の裏付けは採用担当者の目を引く材料になります。
M&Aは複数の利害関係者が絡むため、調整力や折衝力は欠かせません。「社長や役員クラスへのプレゼンで経営改善策を通した」「大規模なプロジェクトでチームをリードした」など、具体的な場面を描写すると説得力が高まります。
職務経歴書を書く過程は、単に応募書類を作るだけでなく自分自身のキャリアを振り返る貴重な機会になります。これまで積み上げてきた実績を整理する中で、自分が得意とするスキルや、逆に不足している部分を客観的に把握できるのです。
- 結果として、自己分析が深まり、転職活動を成功させるための戦略を立てやすくなるという大きなメリットがあります。
M&A職務経歴書の書き方:押さえるべき3つのポイント

1. 数字で語る実績を徹底する
M&A業界では「財務諸表を読み解く」「企業価値を数値評価する」など、“数値の厳密性”が日々求められます。そのため、採用担当者も職務経歴書を読む際に数字ベースで語られている実績を好みます。
- 「年間売上を◯◯%アップ」
- 「新規取引先を◯◯社獲得」
- 「顧客満足度調査で90点以上を獲得」など。
- 「開発期間を2ヶ月短縮し、コスト◯◯%削減」
- 「投資回収期間を当初計画より◯◯ヶ月短縮」など
- 「チーム◯名を率いて、年度目標を◯◯%達成」
- 「離職率を◯◯%改善」といったリーダーシップ指標

「アピールできる数字が少ない場合、仕事の一部にでも定量的成果がないか丹念に洗い出してみてください。『お客様からのクレームが月10件から2件に減った』『問い合わせ対応件数を◯割改善』など、一見地味でも“数字”で書くと光ります。」
2. ステークホルダー調整や提案力を“物語”で示す
M&Aには買い手・売り手企業の経営陣や担当者、弁護士、会計士など多くの関係者が存在します。そのため、調整力・折衝力・提案力は非常に重宝されるスキルです。
職務経歴書では、それらのスキルを「私はコミュニケーション能力があります」と一言で書くのではなく、具体的なエピソードや課題解決のプロセスを示しましょう。
- 経営層へのプレゼンやコンサルティング提案
どんな課題に対して、どんな分析を行い、どのように提案したか。結果、何が変わったかを明記。 - プロジェクトマネジメントの事例
社内外のチームを束ねて成果を出した経験や、調整役として難航した交渉をまとめ上げた事例を具体的に。
3. 未経験分野は“勉強中”であることを明確に
金融や会計の専門用語に触れる機会が少ない業種からの転職の場合、「知識不足で不安……」という気持ちがあるかもしれません。しかし、学習意欲をしっかり示すことができれば大きなプラスとなります。
- 簿記や証券アナリストなど関連資格の取得・学習を明示
例:「現在、簿記2級取得を目指し週◯時間勉強しています」「M&A関連セミナーへ月1回参加中」 - 自社の財務諸表を分析した経験を紹介
たとえ独学レベルでも「売上・利益率に対する改善提案を行い、役員から肯定的評価を得た」など書くと印象的

「M&Aは日々アップデートされる分野です。未経験であっても積極的に学ぶ姿勢と柔軟性を企業側に見せられれば、ポテンシャル採用の枠で評価されやすくなります。」
バックグラウンド別:職務経歴書アピール術

金融機関出身者の場合
- 銀行での融資担当や証券会社での与信管理など、財務分析に長けた点を強みとして書く。
- 直接案件を手掛けていなくても、「M&A関連の社内手続き」「顧客のM&A成立をサポート」など小さな関わりでも必ず触れる。
- 地方企業のオーナーに融資条件や投資スキームをプレゼンした経験などがあれば、調整力や提案力としてアピール。
法人営業出身者の場合
- 「前年比◯%達成」
- 「新規開拓◯社」など。
連続して目標超過を続けているなら年別に数字をまとめるのも効果的。
- 「大手顧客の社長と直接取引条件を交渉し、年間契約を獲得」などがあれば、それはM&Aにも通じる貴重な実績。
- 営業職からM&Aへは知識ギャップがあるため、「現在はM&Aに関する書籍を読み、独自に財務諸表の分析を始めています」と記載すると好印象。
コンサル・事業会社の企画職出身者の場合
- 「新規事業の立ち上げプロジェクトで、データ分析に基づき提案を通した」など。
- もし事業会社で出資案件や業務提携案件に携わったなら、プロセス・成果・工夫した点をしっかり書く。
- 買収後の組織統合やシナジー創出に関わった経験があれば、大きなアドバンテージ。
未経験から成功をつかんだ3つの事例

ケース1:法人営業から大手M&Aアドバイザリー企業へ(30歳・男性)
前職 | IT企業で5年間の法人営業 |
転職動機 | 「よりインパクトの大きい仕事がしたい。高収入にも惹かれた」 |
- 売上実績を徹底的に数値化(例:「毎年目標の120%以上達成」「年間新規顧客数30社」)
- 「現在簿記2級取得を目指して独学中」と学習姿勢をアピール
- 書類選考の通過率が高く、複数社から面接オファー。営業力が評価され、大手M&Aアドバイザリーへ内定。

『M&Aは専門知識が無ければ無理』と思われがちですが、営業力は案件開拓・成約のうえで非常に重要。数字で実績を示し、専門知識を学ぶ意欲を見せれば十分戦えます。」
ケース2:事業会社の経営企画部から外資コンサルのM&A部門へ(29歳・女性)
前職 | メーカーの経営企画部で新規事業投資や提携交渉に携わる |
転職動機 | 「自社内だけでなく多様なM&A案件に関わりたい」 |
- 社内M&Aプロジェクトの成果(出資後1年で売上20%増、利益率5ポイント上昇)を数字で示す
- PMI(買収後の統合)に関する具体的ノウハウを言語化
- 外資系コンサルファームから「M&A実務経験者」として高い評価を得て内定。
ケース3:地銀の融資担当から地方企業の事業承継支援へ(32歳・男性)
前職 | 地方銀行で融資・与信審査を7年担当 |
転職動機 | 「地方の中小企業の後継者問題を支援したい」 |
- 担当企業数や融資総額、財務分析の実績を定量的に列挙
- 経営者へのコンサル的提案を行い、事業改善に繋げたエピソードを詳細に説明
M&A JOB BOARD(MAJB)を活用するメリット

M&A業界での転職は情報が限られ、かつ競争率も高いため、専門のエージェントを活用することで転職成功率が格段に高まります。そこでおすすめなのが、M&A業界唯一の求人サイトである「M&A JOB BOARD(エムアンドエージョブボード)」の活用です。
- 独自の非公開求人が豊富
多数の企業と連携し、大手転職サイトには掲載されていない大手仲介会社から新興ベンチャーまで求人を多数取り扱っています。 - 業界に精通したアドバイザーが支援
書類添削や面接対策だけでなく、応募企業との面談日程調整や条件交渉など、全プロセスをサポート。 - 過去の成功・失敗事例に基づくアドバイス
これまで多くのM&A仲介会社への転職をサポートしてきた実績があるため、内定獲得への最適ルートを示してくれます。
M&A JOB BOARDを使って、転職活動を始める方法
- 登録することで非公開求人の詳細やエージェントのより手厚いサポートを受けられます。
- M&A JOB BOARD公式サイトより会員登録(無料)
- 「M&A業界に挑戦してみたいが自分の経験は通用するのか?」「もっと具体的な年収や働き方を知りたい」など、
- お電話での相談予約フォームからお気軽にご相談ください。
- 転職エージェントから連絡があり、希望日程をすり合わせてオンラインでの面談を実施します。
- 志望する企業の募集要項や年収レンジ、応募条件などを確認し、エージェントと相談しながら応募を決定。
- 気になる案件があれば、アドバイザーがさらに詳しくご説明します。
- 求職者向けの求人一覧ページを確認し、自分の条件に合う案件を探してみてください。
興味のある求人への応募書類作成、面接対策をアドバイザーがサポート
年収交渉や労働条件のすり合わせ、入社日の調整など細部をサポート
内定後は退職手続きや入社日調整などもアドバイザーに相談しながら進められるため、在職中でも安心して活動を継続できる。
M&A JOB BOARDでは無料キャリア相談を行っており、在職中でもオンラインや電話で気軽に利用できます。初めてのM&A転職なら、まずは相談して情報収集することで疑問点や不安を解消しましょう。

「キャリア相談は転職の入口として理想的。『自分の経歴でどんな可能性があるのか』を、客観的視点から聞けるため非常に有益です。迷っている方はまず相談だけでも大歓迎です。
まとめ
M&A業界は“高収入”と“やりがい”の両立が期待できる注目のフィールド。特に20代後半~30代前半からの転職で、大きなキャリアアップを実現した事例も増えています。「M&A職務経歴書の書き方」をしっかり押さえれば、未経験でも十分に活躍への扉を開けられるでしょう。最後に本記事のポイントを3点にまとめます。
本記事のまとめ
- 職務経歴書では“数字”による実績&“具体的エピソード”による対人スキルをアピールするのが鍵
- 金融・営業・コンサル・企画職など、前職のバックグラウンドごとに活かせるポイントを明確化
- M&A業界唯一の求人サイト「M&A JOB BOARD」の専門アドバイザーサポートと非公開求人で、未経験でも転職成功率を高めやすい

「M&Aは複雑な領域ですが、実際に未経験から入って活躍している方はたくさんいます。大切なのは“これまでのキャリアで培った強みをどうM&Aに活かすか”を明確に示すこと。あとは専門家のサポートを受けつつ、積極的に動いてみてください。」
まずはご自身のキャリアを棚卸しし、どこで数字を示せるか、どうストーリーを伝えるかを練ってみてください。