M&A転職に有利な資格とは?未経験でも評価される資格6選とキャリア戦略

M&A業界は、企業同士の買収や合併を通じて事業を拡大・再編するダイナミックな世界です。そのため、近年は「M&Aアドバイザーとしてキャリアアップしたい」「専門性を身につけて高収入を狙いたい」と考える20代後半~30代前半のビジネスパーソンが増えています。

そんな中で注目されているのが、M&A関連の資格です。M&A業界に“絶対に必要な国家資格はありませんが、特定の民間資格やコンサルタント資格を持つことで転職市場で大きく差をつけることが可能です。

本記事では、M&A業界への転職に有利となる資格に焦点を当て、どんな資格があるのか、どう活かせるのかを徹底解説します。

この記事の著者

転職エージェント

M&A JOB BOARD 小松﨑 資

こまつざき たすく

プロフィール

中央大学法学部を卒業後、株式会社コーセーに新卒入社。法人営業及び本部窓口営業に従事。販売戦略の策定やステークホルダーとの関係構築を得意とし、在籍約3年間で営業成績で上位4%に入る成果を上げる。当社へ転職後、士業求人サイト「LEGAL JOB BOARD」でトップセールスを記録したのち、M&A業界に特化した転職サービス「M&A JOB BOARD」の立ち上げにに従事。現在は、M&Aキャリア開発事業部のエージェントとして、潜在的なニーズを引き出すヒアリング力と「想像以上のキャリア提案」を武器に、担当会員様からの高い満足度を誇る。

1. M&A業界で役立つ資格が求められる理由

M&A業界では、企業の買収や合併のプロセスをスムーズに進めるために、財務・税務・法務の知識や経営戦略の理解が必要になります。こうした幅広い専門性を証明する一つの方法として、資格が注目されているのです。

(1) 信頼性・専門性のアピールにつながる

M&A仲介やアドバイザリー業務に携わる際、経営者やクライアントからの信頼性を得ることが不可欠です。初対面の場であっても、「○○資格を持っています」と名刺や肩書きで示せると、専門性を担保しやすくなります。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

資格による“肩書きの強さ”は、特に中小企業のオーナー経営者と商談するケースで大いに役立つと感じています。

(2) 競合環境が激化している

M&A業界は拡大傾向にありますが、同時に参入プレイヤーも増加し、競合が激しくなっています。たとえば投資銀行やコンサルティングファーム、大手仲介会社だけでなく、近年は地方銀行や商工会議所などもM&A事業に乗り出しています。

POINT
  • 「自分を差別化する材料」として資格を取得しておくことが、転職市場でも大きな武器になります

(3) 未経験から学びやすい体系的な知識

M&A業務には独特の専門用語やプロセスがあり、未経験者が独学だけで実務レベルに達するのは難しい面があります。資格取得の学習を通じて、体系的にM&Aを理解することができるのは大きな利点です。

実際、民間資格やコンサル系国家資格のカリキュラムは実務事例が豊富で、現場感覚を身につける一助となります。

2. おすすめのM&A関連資格6選

M&A業界には必須の国家資格こそ存在しませんが、専門性や信用力をアピールするうえで「資格」は大きな武器になります。以下では、M&A転職で評価されやすい資格を6つピックアップしてご紹介します。

2-1. 中小企業診断士

難易度: (難関)

主催団体
特徴
  • 経営コンサルの国家資格として唯一の存在
  • 一次試験・二次試験ともに合格率が低く、最終合格率は4~5%程度
  • 財務・会計やマーケティング、人事管理など経営全般を学ぶため、M&A実務全体で応用可能

中小企業診断士は、中小企業の経営コンサルを担う専門家という位置づけですが、近年はM&Aや事業承継案件でも重宝されます。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

財務分析力だけでなく経営戦略や組織マネジメントなど横断的な知識を身につけられるため、PMI(買収後の統合)を支援する場面などで大いに活かせるでしょう。

2-2. 簿記(2級以上)

難易度: (中程度)

主催団体
特徴
  • M&A関連の仕事をするなら「日商簿記2級以上」がおすすめ
  • 財務・会計の基礎があると、M&A業務全般(デューデリジェンス・企業価値評価・財務分析)で活かせる
  • 他の資格(CFA、USCPA、中小企業診断士など)と組み合わせるとさらに有利
  • 「最初に学ぶべき資格の一つ」といわれるほど、汎用性と実務性が高い

M&Aに限らず、ビジネス全般において財務諸表を正しく読み解く力は強力な武器となります。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

特にM&Aでは決算書から企業の強み・弱みを分析する場面が多いため、日商簿記2級相当の知識は必須と言っても過言ではありません。

2-3. FP(2級以上)

難易度: (中程度)

主催団体
特徴
  • 保険・年金・不動産・相続・税制など「個人資産」に関わる知識を幅広く学べる
  • M&Aにおける税務デューデリジェンスやストラクチャリングで役立つ
  • 特に、組織再編税制やM&A後の税務戦略立案に関わることが多い

M&Aというと企業間の取引をイメージしがちですが、中小企業のオーナー経営者の個人資産問題は避けて通れないテーマです。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

FP2級以上の知識があれば、オーナー個人のライフプランや税制に関するアドバイスも実施できるため、一歩踏み込んだコンサルティングが可能になります。

2-4. 税理士

難易度: (難関)

主催団体
特徴
  • 法人税や所得税など税務のスペシャリスト
  • 科目合格制だが、全科目合格までには長期的学習が必要
  • M&Aにおける税務デューデリジェンスやストラクチャリングで活かせる
  • 組織再編税制やM&A後の税務戦略立案にも強み

M&Aで最も頭を悩ませるのが税務面の最適化です。たとえば、株式譲渡・事業譲渡・合併・分割など、どのスキームを採用するかによって大きく納税額が変わります。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

税理士資格者は、こうしたスキーム設計に関する専門的なアドバイスで経営者の信頼を得やすいのがメリットです。

2-5. 公認会計士

難易度: (超難関)

主催団体
特徴
  • 企業会計・監査のエキスパートとして、財務諸表監査や会計コンサルティングで活躍
  • 財務デューデリジェンスや企業価値評価に直結
  • M&Aアドバイザリー業務や投資銀行の選考でも高く評価される

M&Aにおけるデューデリジェンス(DD)では、企業の帳簿や財務リスクを洗い出すために高度な会計知識が欠かせません。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

公認会計士資格のある人材は、信頼性が高い会計監査のスキルを持っているため、投資銀行やM&A仲介会社、コンサルファームなど様々なフィールドで重宝される傾向にあります。

2-6. M&Aシニアエキスパート

難易度: (易しめ)

主催団体
特徴
  • 中堅・中小企業の事業承継やM&A実務に特化した民間資格
  • 複数ステップの資格制度の最上位が“M&Aシニアエキスパート”
  • 公式養成スクールでのケーススタディを通じ、実務感覚を身につけられる

国家資格ほどの難しさはありませんが、名刺や肩書きに明記しやすく、専門性のアピールに直結します。

M&A JOB BOARD 小松崎
M&A JOB BOARD 小松崎

特に中小企業案件の仲介業務に携わる方は、現場の実務事例に即した知識を網羅しやすいので、初学者でも学習しやすいでしょう。

3. 資格を活かすキャリア戦略

「資格を取ればゴール」というわけではなく、取得した知識や肩書きを“どう活かすか”がポイントです。

ここでは、金融業界・コンサル出身者、営業職など、代表的なバックグラウンド別にキャリア戦略を考えてみましょう。

3-1. 金融・コンサル経験者の転職事例

金融機関(投資銀行・証券・地方銀行)出身

活かせるスキル

既に企業分析やリスク評価、融資判断などの経験を積んでいるため、転職後すぐにM&A仲介の実務で武器を発揮しやすい。

POINT

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コンサルティングファーム出身

活かせるスキル

経営課題に対する問題解決力を身につけており、買収後の経営統合(PMI)や事業再編の提案に強い。

POINT

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3-2. 営業職・一般企業出身者の転職事例

法人営業経験者

活かせるスキル

「交渉力」や「提案力」「コミュニケーション能力」が強み。

POINT
M&A JOB BOARD 小松崎
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実際、地銀の営業担当からM&Aアドバイザーに転職し、30代で年収1,000万円を超えたケースも少なくありません。

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事業会社の経営企画・事業開発経験者

活かせるスキル

組織横断的なプロジェクトを動かした経験が、M&Aの案件進行管理に役立つ。

POINT

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3-3. 資格取得と同時並行で進めたいアクション

キャリア相談を利用する
  • 転職エージェントに経歴を整理してもらい、どのような求人ニーズがあるかを客観的に把握する。
M&A JOB BOARD 小松崎
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学習中に業界動向を聞くことで、試験勉強のモチベーションも高まります。

非公開求人をこまめにチェック
  • M&A特化型の求人サイトなどは、一般公開されていない高年収ポジションが多い。
  • 早めに登録しておくことで、「資格勉強中だけれど、応募できる案件は?」など相談もしやすい。
現在の職場で関連業務を積極的に経験
  • もし社内でM&Aや事業再編に関わるプロジェクトがあれば手を挙げる。
  • 資格取得と並行して実務経験を積むと、転職時に強力なアピール要素となる。

4. よくある質問(Q&A)

Q1. M&Aに関する資格は絶対必要ですか?

  • 必須ではありません。M&A業界では「公認会計士」「弁護士」のような国家資格が必須となるケースはありますが、仲介やアドバイザリー職は資格不要で活躍している人も多いです。ただし、未経験から転職する際には“知識を証明する手段”として資格が有利になるので、学習目標を定める意味でも取得がおすすめです。

Q2. 英語力がないと難しい?

  • 英語力は必須ではありません。
    国内の中小企業M&Aであれば、英語を使わない案件も非常に多いです。ただし、今後外資系ファンドや海外企業との交渉に関わりたい方は、英語力を磨くとより活躍の幅が広がります。CMAなど英語試験の資格取得に挑戦すれば、自然と語学力と財務知識を並行して高められます。

Q3. 資格取得は転職前に済ませたほうがよい?

  • できれば転職活動と並行して進めるのがおすすめです。
    資格勉強に集中して転職時期を後ろ倒しにすると、チャンスを逃す恐れがあります。M&A業界は採用ニーズが高い時期に一気に求人が増えることも珍しくありません。タイミングを逃さないよう、まずは無料相談で求人を確認し、資格取得を並行させるのが理想的です。

5. M&A専門の転職支援サービス「MAJB(エムアンドエージョブボード)」を活用し、最短距離の転職を目指そう

M&A業界に特化した転職プラットフォームとして「M&A JOB BOARD(MAJB)」があります。ここでは他の転職サイトにはないMAJBの強みを紹介します。

特徴
  • 業界特化の豊富な求人
    M&A仲介会社や投資銀行の独占求人も多数
  • 選考対策とマンツーマンの面接アドバイス
    書類添削から面接対策まで、M&A業界に精通したアドバイザーが伴走
  • 求人企業との太いパイプ
    求人票には載っていないリアルな社風や業務実態まで把握

5-1. M&A JOB BOARD(エムアンドジョブボード)の強み

M&A JOB MAGAZINEを運営するM&A JOB BOARDは、M&A業界特化型の転職支援サービスを提供しています。

特徴
  • 業界特化の豊富な求人
    M&A仲介会社や投資銀行の独占求人も多数
  • 専門エージェントによるサポート
    M&A企業で求められる書類添削や模擬面接など手厚いフォロー
  • 求人企業との太いパイプ
    求人票には載っていないリアルな社風や業務実態まで把握

5-2. 具体的な転職成功ストーリー

たとえば、地方銀行で法人営業を担当していた30代前半のAさんは、「将来的にM&Aアドバイザーとして活躍したい」という希望を持ちつつも、実務経験がゼロで不安がありました。MAJBの無料キャリア相談を活用し、

地方銀行で法人営業を担当していた30代前半のAさん
M&A JOB BOARD 小松崎
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入社後はディールマネージャーとして複数の案件を成約に導き、年収アップも実現しました。

5-3. M&A JOB BOARDで転職活動を始める方法

無料会員登録

M&A JOB BOARD公式サイトより会員登録(無料)

無料キャリア相談

電話相談予約フォーム からお申し込み下さい。転職エージェントから連絡があり、希望日程をすり合わせてオンラインでの面談を実施します。

具体的な求人をチェックする

求職者向けの求人一覧ページを確認し、自分の条件に合う案件を探してみてください。

求人紹介・選考サポート

興味のある求人への応募書類作成、面接対策をアドバイザーがサポート

内定・入社フォロー

年収交渉や労働条件のすり合わせ、入社日の調整など細部をサポート

M&A JOB BOARD 小松崎
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迷っている方はまず相談だけでも大歓迎です。

6. まとめ

M&A業界への転職を考えるうえで、必ずしも資格が必須というわけではありません。しかし、

  • 「簿記(2級以上)」
  • 「FP(2級以上)」
  • 「税理士」
  • 「公認会計士」
  • 「M&Aシニアエキスパート」
  • 「中小企業診断士」

などの「M&A資格」を取得・活用することで、下記のようなメリットが得られます。

資格を取るメリット

  • 転職市場での差別化
    「財務・会計が分かる」「企業価値評価ができる」「事業承継に強い」など、資格保有者ならではの専門性をアピールできる。
  • 未経験からでも評価される即戦力感
    財務デューデリジェンスや税務ストラクチャリング、経営コンサルティングなど、M&A実務で必要とされる能力を資格学習を通じて体系的に身につけられる。
  • M&A後のキャリアパスが広がる
    資格を活かしたアドバイザリー業務、投資銀行やファンドでの活躍、もしくは独立開業を目指すなど、多角的なキャリア構築が可能になる。

ぜひ、M&Aという成長市場で新たなステージに踏み出すために、今回ご紹介した資格とキャリア戦略を参考にしてみてください。

必要であればいつでもMAJBの無料キャリア相談を活用し、あなたの将来像を具体的に描くところからスタートしてみましょう!