M&A業界は、成果主義の世界とも言われ、離職率の高さや業務の厳しさが取り沙汰されることもしばしば。そんな中、M&A仲介会社でのキャリアを経て、現在は株式会社ビーバーズのM&Aコンサルティング事業部で部長を務める篠原圭吾氏。
彼が感じた「仲介だけにとどまらない価値提供の可能性」とは何か。異業種から未経験人材を育てる現場のリアルや、建設業に特化する戦略について、小松崎がじっくりと話を伺った。

M&Aコンサルティング事業部 部長
株式会社ビーバーズ 篠原圭吾
しのはら けいご
1995年、山梨県甲斐市生まれ。 2019年、青山学院大学法学部を卒業後、株式会社日本M&Aセンターに入社。中堅・中小企業のM&A支援を通じて、経営者に寄り添う提案力を磨く。2023年より株式会社ビーバーズに参画し、M&Aコンサルティング事業部の立ち上げメンバーとして事業を牽引。現在は部長として、M&Aにとどまらない経営課題全般の支援を通じて、クライアント企業の成長と事業承継に貢献している。
ビーバーズで挑む「M&Aのその先」──転職の決め手と入社後の立ち上げ
新卒でM&A業界へ──キャリアの出発点
小松崎:まずはご経歴から伺えますか?大学卒業後、どのようにM&A業界に入られたのでしょうか。
篠原:私は青山学院大学の法学部を卒業して、新卒で日本M&Aセンターに入社しました。2019年入社で、そこから約4年半ほど勤務して、2023年11月にビーバーズにジョインしました。
小松崎:新卒でM&Aの世界に進むのは珍しいですね。
篠原:就活らしい就活はほとんどしていなかったんです。ただ、企業法務系のゼミにいたので、会社法とかM&Aの仕組みに自然と興味が湧いて。そのときゼミの仲間が金融系に進む人も多くて、「証券会社は違うかな」と思っていたときに、たまたま求人でセンターを見つけたんです。それで応募したら、運良く受かってしまって(笑)。
小松崎:センターでの4年半では、かなりの案件数をご担当されたんですか?
篠原:累計で20件以上はサポートしました。まったく多いわけではなくて、1年あたり4〜5件くらいです。成約までは早かった方ですが、苦労した時期の方が長かったです。最後に大きな案件に携わるという波がありましたね。
転職の理由とビーバーズへの参画
小松崎:
順調なキャリアの中で、なぜビーバーズに転職しようと思われたんですか?
篠原:
M&A業界から離れて、地元・山梨に戻るつもりでした。そんなときに、日本M&Aセンター時代の先輩だった山本(現ビーバーズ社長)から声をかけてもらったんです。
小松崎:
山本社長とのご縁で?
篠原:
はい。彼がM&Aセンターを辞めた後も食事などを通じて交流は続いていました。私が退職したタイミングで彼から声をかけていただいて、他の仲介会社もいろいろ見たんですけど、ビーバーズには仲介だけでなく、経営課題に対して多角的に支援できる商材があったんです。それが決め手になりました。
建設業界に強い営業基盤を活かした立ち上げ
小松崎:新規立ち上げは大変だったのではないですか?
篠原:実はそうでもなくて。ビーバーズにはもともと建設業向けに人材紹介などを行ってきた営業基盤があるんです。その中にM&Aの提案を組み込むかたちでスタートできたので、いわゆるコールドコールや新規開拓のような苦労は少なかったですね。
小松崎:アウトバウンド営業に頼らなくて良いのは大きいですね。
篠原:まさにその通りで、もともとの顧客ネットワークを活かして提案を重ねていける土壌がありました。
未経験からプロフェッショナルへ──人材育成と現場のリアル

「現場で共に学ぶ」実践重視の教育スタイル
小松崎:現在、事業部には何名ほどのメンバーが所属しているのでしょうか?
篠原:M&Aセンター出身を含む経験者5人と、未経験の方2人です。
小松崎:教育体制はどういった形で?
篠原:基本的には、私の商談に同行してもらって、面談をその場で一緒に見て学んでもらうスタイルです。土曜日に研修時間も取ってますが、OJTが中心ですね。
小松崎:土曜研修ではどのようなことをされているのですか?
篠原:先週起きた事例の共有や、税制改正などの制度のアップデートを伝える場として活用しています。ガチガチの研修というより、実務に即した情報交換の場ですね。
プレイングマネージャーとしての業務実態
小松崎:篠原さんご自身もプレイヤーとして案件を動かされているんですね。
篠原:はい。今はチーム全体で12件、1人あたり6件くらいを同時並行で担当しています。それをベースに、回転させながら年間1人あたり1億円の売上を目指す体制です。
求職者へのメッセージ──特化領域だからこそ得られる成長
小松崎:最後に、求職者の方に向けて、ビーバーズで得られる経験について教えていただけますか?
篠原:特に大きいのは、業界特化による知見の深さですね。建設・製造・不動産に絞っていることで、その分野に関する情報の蓄積やネットワークがどんどん深まる。だからこそ提案の質も上がりますし、信頼も得やすくなります。
小松崎:確かに、広く浅くより、深く掘ることで得られる強みは大きいですね。
篠原:ええ。それにPMIフェーズもグループ内の採用コンサルなどと連携して支援できるので、成約で終わらない支援が可能です。「人材が集まらない」という根本的な課題にもアプローチできますし、買い手側企業に対する価値提供がM&A後も継続してできるのが強みだと思います。
建設業×M&A──垂直統合による“本当の支援”を目指して
成約後も支援が続く、ビーバーズならではの体制
小松崎:成約後のフォロー体制まで整っているのは、業界内でも珍しいのではないですか?
篠原:そう思います。採用支援を含め、M&A後の企業成長に関わることができる点は、私自身やりがいを強く感じている部分です。
業種特化がもたらす信頼とスピード
小松崎:「建設業といえばビーバーズ」という認知も徐々に広がってきていますか?
篠原:そうですね。士業の方や同業のFAの方々からも「建設業ならビーバーズさんに」と紹介をいただける機会が増えてきました。情報の質も高まっていますし、マッチングの精度も上がっています。
今後の展望──業界の拡張より、サービスの深化を
小松崎:今後の展望として、新しい業界展開などはお考えですか?
篠原:当面は建設・製造・不動産の3業界に注力しつつ、サービスの深化を目指しています。具体的には、事業承継の相談に関連する相続アドバイス、譲渡後の資産運用などの支援にも広げていく方針です。
編集後記

篠原氏のインタビューからは、M&A業界での地に足のついた経験と、ビーバーズが提供する“仲介を超えた支援”の実態が伝わってきた。業界特化による提案力の高さ、そしてPMIまで含めた支援体制は、転職を考えるM&A人材にとって大きな魅力となるだろう。「どこまで企業に寄り添えるか」という問いに、真摯に向き合う姿勢が印象的だった。
【取材先】株式会社ビーバーズ
株式会社ビーバーズは、建設業界をはじめとする専門領域に特化し、経営課題に対する“総合ソリューション”を提供する急成長中の企業です。
M&A、人材、DX支援など多岐にわたる自社サービスを武器に、経営者と本質的な対話を行いながら最適な課題解決を実行。営業という職種に新たな価値と可能性を創出しています。
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